1.永遠の誓い

「っ……あたし、は」
「うん」
「永遠なんて、信じない」
「うん」
「信じない、から!」
「うん。それでもえぇよ」

 えぇから、どうかお願いやから。
 俺と一緒に居てくれる?

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2.解き放たれた瞬間

 ホイッスルが鳴り終わり、そうして彼は解き放たれた。ボールを追いかけることはもうせずに――――いや、追うことは許されないから上がる息を整え奥へと下がってゆく。試合のことから解放されて、ただただ身体を休めるための時間が彼に訪れる。

 でもと時々思うのは、本当に解放されているのは私の方かも知れないということだ。彼の視線が自分のもとへと戻るから。彼が自分へと手を伸ばすから。
 ホイッスルが鳴り終わり、私は嫉妬から解放される。試合の結果だとか、プレーの良し悪しだとか、そんなものは二の次だ。ただただ心を癒す時間が、私のもとに訪れる。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

3.君を待つ長さ

「なぁ」
「ん」
「なーぁ」
「ん。わかった」
 一体何がわかったなのか。せっかく(自分が)休日だと言うのにせっせと仕事と向かい合う彼女の返事は、いつだって上の空。余裕があれば彼女だって相手してくれるのだから、今が大変な時なのだとはわかってはいるのだけど。
 立ち上がってキッチンへ向かって冷蔵庫を乱暴に開いて、そうしていささかむすっとしながら中を見る。
 適当な食材を見繕って、いざ作るは2人分の昼食だ。食事の時だけでもなんでもいいから、どうにかして彼女を取り戻さねば、気が狂ってしまいそうだった。呆れたことだが、それだけ待つことに耐性がなくなっている。
「しゃーないよなぁ? こればっかしは」
 言い訳にならない言い訳を呟いて、ばり、とレタスを引きちぎった。
 今日のお昼は、カレーにサラダだ。

・・・・・・
これだけちょっとだけ、時間設定が未来でしょうか。
あとの2題は現在でも未来でもどっちでもいけると思うんですが。